スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
line

月の光  第一章 出会い

   
 あのお手伝い券を渡した日から、一体どれくらい日にちが経ったのだろう。

幼稚園児だったカケルは、小学生になった。

何だかんだと理由をつけて、ユナのお見舞いに行くことを拒んできた。

その間、どれくらいユナは、あんな苦しい思いをしたのだろう。

会いたいというのなら、会ってやればよかった・・・。

カケルは、初めて会いに行かなかったことを後悔していた。

  「本当に、ボクに会いたがっているの?」

するとケルンは、地面に激突するような勢いでうなづいた。

  「はいっ!それはもう! では、会って下さるのですね!」

  「うん・・今度の土曜日でいいかな?」

  「いいえ、今すぐです!」

ケルンは、嬉しそうに短い足でピョンピョン跳ねながら言った。

  「えっ、でも、もう夜だよ。母さんたちもさっき帰ってきたばかりだし」

カケルがとまどっていると、ケルンは自信たっぷりに言った。

  「わたしが、ユナさんが待っているところへご案内します!」

  「ユナが待ってるって・・?」

ケルンは得意そうに胸を張った姿勢のまま、こう告げた。

  「はい! まずは、ベッドに寝てください、カケルさん。そして、そう

 ですねえ、風邪をひかないように、毛布をかぶってください。」

  「何で、出かけるのにベッドに寝るのさ!」

  
「私の言うとおりにしてくだされぱ、すぐにわかります」

カケルは、わけがわからないままベッドに横になり、しぶしぶ毛布を首まで

引き上げた。

ベッドに寝たまま、移動でもするのか・・・?

  「それでは、ご案内します」

ケルンは、どこからか取り出した銀のフルートを、三角の口にあてて吹き始めた。

 それは、高く高く澄んだ音で、月の光の色によく似合っていた。

 すると、どこからともなく、色とりどりのチョウが一列に並んでひらひらと

現れた。あちらからも、こちらからも、それは何百という数になった。

よく見ると、どれもこれも画用紙に描かれた絵だった。

そして、ケルンよりはずっとていねいにぬられている

  「このチョウたちは、ユナさんが描いたものです。カケルさんをどうやっ てお連れするか、ユナさんは一生懸命

考えて、そしてたくさんたくさん描い たのですよ。」

ケルンは、チョウたちを満足そうに眺めながら言った。

  
スポンサーサイト

theme : 自作BL連載小説
genre : 小説・文学

line
line

comment

管理者にだけ表示を許可する

line
line

FC2Ad

line
プロフィール

ありす

Author:ありす
FC2ブログへようこそ!

line
最新記事
line
最新コメント
line
最新トラックバック
line
月別アーカイブ
line
カテゴリ
line
FC2カウンター
line
検索フォーム
line
RSSリンクの表示
line
リンク
line
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

line
QRコード
QR
line
sub_line
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。