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月の光 第一章  出会い

  ケルンの強い意志を感じたカケルは、唇をかんで視線を空に移した。

黄金色の月の光が、カケルをすっぽりと包み込む。

息をするたびに、月の光が心の中に降り積もって行く・・そんな感じで

カケルの心はあたたかい黄金色に、少しずつ輝いて行くのだった。

 ふいに、目の前にカケルがユナに贈った「お手伝い券」が現れた。

そして手をのばして受け取ったのは・・・ユナだった。

白く透き通った顔が、パッと明るく輝いた。

  「お兄ちゃんが描いてくれたの?ユナに? かわいいうさぎさんだあ!

 これ、何て読むの?」
  「おてつだいけん なんでもいたします かける 」

母さんが、一文字ずつ指を差しながら読む。

  「か け る そうだ、うさぎさんの名前は、ケルンにする。お兄ちゃん

 が描いてくれたうさぎさんだから。いいでしょ、ママ」

  「はいはい。よかったわね、ユナ。」

母さんは、泣きながらユナの頭をなでた。

ユナは、うれしそうにお手伝い券のケルンをずーっと見つめていた。
 
 あの日、病室に行くとユナは眠っていた。カケルは、顔を合わせずにすんで

いくらかホッとしたのを覚えている。

くるくる巻いてリボンをかけたのを母さんに渡すと、さっさと祖母の手を引っ張って家に帰ったのだった。

 そうか、あんなに喜んでくれたのか・・・それなのに自分は・・。

カケルはまた胸が苦しくなって、ため息をついてうなだれた。

  「ねえ、ケルン」

ユナの声がする。

  「お兄ちゃん、また来てくれるよね。また会えるよね。元気になったら
 ユナねー・・・」

そこで声は途切れ、ハッとして顔を上げたカケルの目に、苦しそうに胸を押さえるユナの姿が映った。

  「ユナ!しっかりして、ユナ!」

ナースコールのボタンを押しながら、母さんが叫んでいた。

ユナ・・カケルは不安になった。苦しそうに胸を押さえるユナを初めて見た。ユナはいつも、あんなに苦しい思いをしているの?

  「行きましょう、カケルさん。ユナさんは、あの日からずっとずっと
 あなたを待っているのです。」

カケルは、ふーっと息を吐き出し、そしてケルンを見た。 
 

 
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theme : 自作BL連載小説
genre : 小説・文学

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