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月の光  第一章  出会い

     やわらかな月の光が窓から差し込んでいた。

カケルはベットに寝転んで 部屋の天井をじっと見つめていた。

窓辺に向かって置いてある机は、まだ新しい。

カケルが小学校に入学してから約半年が経とうとしていた。

 「ふーーっ・・・」

カケルは部屋の電気もつけないまま、月の光を避けるように寝返りを打った。

おやつのカールの袋も、机の上に置き去られ、カールおじさんの顔が月影の
中であやしくゆがんでいた・・・。

 下の階からは、父と母の話す声がずっと絶え間なく聞こえていた。

  「ユナは・・・・・ユナが・・・・・」

カケルはその名前が聞こえる度に、小さく頭を振った。

 
 ユナは、カケルの2つ下の妹だ。心臓が悪く、生まれてからずっと病院に
入院したままだった。

 ユナが生まれるまで、カケルはずっと母さんの腕の中にいて、

あたたかい 笑顔と声に包まれていた。優しい歌とやわらかな頬が、いつもそばにあった。

 それが、ある日突然、悲しみという影に覆われてしまった。

母さんはショックのあまり、長い間入院してしまうし、父さんはユナにつきっ きりになった。

カケルは、わけがわからないまま祖母の家に引き取られ、小学校に入学すると同時に、またこの家に戻ってきたのだった。

 ・・・・・どうして自分だけ、こんな目にあうんだろう。

どこかポッカリと穴が空いてしまったような心を、カケルはいつも悲しい思い で見つめていた。

そしてそれは、ユナへの憎しみにも似た感情を呼び寄せる。

  (いなくなればいいのに・・)

何度そう思っただろう。そして幾度そう思ったことを後悔しただろう。

カケルがまだ小さい時は、よく祖母に連れられてユナに会いに行ったものだ。

ユナは、いつもカケルに会うと喜んでくれた。2つに結んだ茶色の髪、透き通るほど白い顔と手。小さな体。

目を閉じると、そのまま遠くに行ってしまいそうで不安になる。

カケルにとってユナは、大好きで、大嫌いな存在だった
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theme : 自作BL連載小説
genre : 小説・文学

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