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月の光 第三章 いのちのうた

    

  風が、ふと声を運んできた。
たくさんの、それでいてひとつの歌。

   まわる まわる いのちはまわる
   はるかな過去から遠い未来へ
   いのちは 生まれ変わる

   陽の光 月の光 
   風の歌 木の歌 鳥の歌 花の歌 
   草の歌 人の歌

   山の声 空の声 海の声 川の声

   春の時 夏の時 秋の時 冬の時
 
   喜びも 悲しみも 怒りも 苦しみも

   すべてを光にかえて 
   いのちはめぐるよ    

   いのちは光 光はいのち

   光に還ろう すべては光

 黄金色の草原も、色とりどりのひまわりたちも、チョウたちも、たくさん
の光たちも、風にフワリフワリとゆれながら歌っていた。

月の光が、優しくすべてを照らしている。

    「ごめんね、お兄ちゃん」

 突然、ユナが言った。

    「あたしのせいで、いっぱいいっぱい嫌な思いをさせてごめんね。」

    「な、なんだよ・・・」

    「お兄ちゃんがお見舞いに来てくれなかったのはそのせいだよね。」

ユナは、まっすぐ黄金色の草原を見つめながら言った。

    「今日、来てくれて本当にうれしかったよ。ありがとう。」

カケルは、言葉が見つからなくてユナと空中をゆらゆらと交互に見つめるばかりだった。

嫌な予感に強くつかまれたように、息が苦しくなった。

 花畑を飛んでいたチョウたちが、カケルたちのいる木の枝に集まってきた。

そしてまた、黄金色のじゅうたんを光の粉で作ってみんなをふわりと乗せた。

じゅうたんは、花や草や光たちがいのちのうたを歌う花畑の上へゆっくりと
移動して行った。

    誰かを想う時、心は光になって
    届いていくよ
    光はつながって 輝いていくよ
    光はすべてを 照らしていくよ

 光たちが、カケルとユナとユナのひざの上の、ずっと黙ったままのケルンとリーデをそっと包んだ。

言葉にならないあたたかい想いに、カケルの心はだんだん落ち着いて行くのを感じた。 
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