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月の光 第2章  ユナ


   ユナの背中を追いかけていると、突然黄金色の草がカケルの首のあたりまで伸びてきた。

見ると、またはるか向こうまで波のように草の海は続いて行った。

  「うわぁ!」

 と声をあげたのはケルンで、草のてっぺんでジタバタしている。

カケルは、黄金色の草をかき分けかき分け、ケルンの方へ行こうとした。

 ところがケルンは、本人の意思とは関係なく、草のてっぺんをジャンプしながら遠ざかって行く。

 「どうなってるんだ?」

 「カ、ケ、ルさー、んた、す、け、てえーーー!」

ケルンの姿が、現れては消えて行く。

ふと、黄金色の草からぽわぽわとまた、ホタルのような光が生まれた。

そして、カケルのまわりでくるくるとゆっくり、または早く動いていた。

 「そうだ、ユナをつかまえなくちゃ!」

カケルが独り言を言うと、ホタルのような光たちは、こっちへおいでと言うよ
うに、先へ集まってくるくる回った。

そちらへ草をかき分けて進むと、また光たちが先へ進む。

やがて、ケルンを抱いてうずくまっているユナを発見した。

  「あーっ、見つかっちゃった!」

ユナは、そのまま転がってケラケラ笑った。光たちも、重なり合い、くるくる
回りながら、2人を優しく囲んでいた。

  「うわぁーーーっ!」

 また、ケルンが突然叫ぶ。何と今度は、ケルンをすっぽり包んだシャボン玉が宙に浮き、ゆっくりと空へ上り始めた。 

 「あーっ、ずるいケルン! あたしも乗せて!」

ユナが光たちに言うと、あっという間にユナを乗せたシャボン玉が、宙に浮いた。

 「おい、ユナ!」

と慌てるカケルもまた、シャボン玉の中にいた。

月の光が、空に浮かんだ3人を黄金色に染める。


いつの間にかユナを乗せたシャボン玉が、カケルの横に並んでいた。

ユナもまた、月を見つめていた。

  「あたしね、病院の窓から見えるお月様を見るのが好きだったの。お日様
 はまぶしすぎて見ていられないけど、お月様ならずっと見ていられるから。
 一番好きなのは、やっぱり満月よ!」

カケルの目に、毎日月を見つめるユナの姿が写った。毎日、どんな思いで見つめていたのだろう・・・。

月を見つめているユナを、カケルはそっと見続けた。

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theme : 自作BL連載小説
genre : 小説・文学

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